少し前に、親しい友人がパリに向けて出発した。その後、これまた仲のいい人がパリに。加えて、お世話になっている編集者の方もパリに行くという。パリじゃなくてもいいから、ぼくもどこかに行きたいなあ、と思っていたら、十月に予定していたキャンプへの参加がぼくだけだめになってしまった。
ぼくを東京に残して、友人が三人でキャンプに行ったのだけど、そうしたら同じキャンプ場に二日後、他の友人も行くという。なんだかつまらないから、別の友人を夕食に誘ったら、彼女もその日はキャンプに行くとのこと。ブルータス!
そういうわけで、パリからもキャンプからも離れて東京にいたのだけど、四日前にちょっとしたことがあった。ぼくは水彩絵具で色を塗ることが多いので、いつも使っているパレットはとても大切なものなのだけど、考えてみるとこのパレットは大学一年生のときからのもの。
パレットの中にいつも用意しておく絵具の色も、そのときから増やしたことはあるけど、減らしたことはない。だけど四日前に初めて、ずっとそこにあったキミドリ色をなくして、サップグリーンと取り替えた。キミドリ色は最初のころはずいぶん使ったが、最近はちょっとわざとらしい色だな、と感じるようになって、あまり使っていなかった。キミドリ色が必要なときも、他の緑や黄色を混ぜて作る。
パリにもキャンプにも行っていないかわりに、ちょっとした大きな変化が起きた格好。「ちょっとした」と「大きな」の組み合わせは変だけど。
2011/10/9